第88回「ありがとうのお返しを」

 こんばんは。いよいよ雨が窓をたたく季節となりましたね。色とりどりの傘がひらひらと通りを行き交う様を見るのは、この季節ならではの趣ですね。
 さて、雨の季節と言えば、やはり「ものおもう季節」とも言えるかと思います。窓の外で大地を打つ雨の音を聞きながら、なんとはなしに考え事をしてしまっていた……ということ、ありません? 私は結構あります。結構あっちゃだめな気もしますが(笑)。
 そういうときに思い浮かべることは実に様々ですが、ときには人生そのものについて思うこともあります。「人生とは何か」というような哲学的なモノではなく、「なんでこういう自分がいて、こういう生き方してるのかなぁ」という感じです。
 重くなるのがアレなので、詳しくは省きますが、私はたぶん一般的に穏やかといえるような人生ではありませんでした。家庭も学費に困るぐらいには貧しく、家族仲も「家庭内不和」という単語を使って差し支えないくらいには荒れており、いじめも受け、離婚もあまりいい形ではなく、その後2年間うつ病を患いました。
ああ、なんかこう書くと不幸な感じがしちゃうなぁ(笑)
 しかし、私は世の中や自分の境遇を嘆いて自殺したり、何かを呪って凶行に及んだりすることがなかった。そうなっても何の不思議もないのに。どうしてだろうな、と考えるわけです。すると、そこには、やはり私の周りにいて、いろいろと関わってくださった方々の姿が浮かぶのです。
 捨てる神あれば拾う神あり、と言いますが、どん底にいても、呑んだり、外に連れ出したり、話を聞いてくれる人たちがいた。やっぱり私は幸せだったのです。だから、こうやって生きて、「人を癒したい」と思うようになったのですね。
 そこに私が返せるものがあるのなら、やはり「ありがとう」ですね。言葉はもちろんそうですが、行動でもお返しがしたい。
それは直接返せるものもあれば、間接的に返せるものもあると思います。元気にやっているのが、まずはなによりの恩返しですよね。
 その中で、もしかしたら私の行動で誰かが少しだけでも救われるかもしれません。癒されるかもしれません。そしてその誰かが、またほかの誰かに「ありがとう」のお返しを……。
 世界をこうやって、つなげていきたいです。
 


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