いやされーの「いやし噺」
このコーナーでは、健康や心について、
みなさんの元気や癒しにつながる話を、
店長たかあきがチョイスしてお届けします。
第十四回 │ 言葉の力で癒し、癒されよう
「言葉」は人の生活にはなくてはならないものです。言葉の誕生が人を人たらしめている、という識者もいますし、手話や点字が開発されたのも、言葉によるコミュニケーションが如何に重要かを物語っていると思います。
普段意識するともなく使用している「言葉」ですが、実は非常に大きな力を持っています。「座右の銘」というものがあるくらい、言葉は人生を変えたり、その指針となったりするほどの力を持っているのです。親や友人や先生に、ほめられたり、言われた言葉が自分の活力の源になっている方もいるでしょう。また逆に、トラウマになってしまっている方もいるでしょう。「言葉」は時として、暴力以上に鋭い刃にもなってしまう恐ろしいものです。この「言葉」をコントロールして、自分を癒したり、元気づけたりすることもできます。ある柔道部の合宿において、自分で自分に語りかける「セルフトーク」というメンタルトレーニングの技術を使い、毎日ポジティブな言葉を自分に語り掛けさせたところ、そうでないグループよりもモチベーションがあがり、かつストレスも軽減されたそうです(※1)。
ポジティブな自分への語りかけは、ストレス発散やリラックス効果を生むのですね。
また、「言葉」は食事環境にも大きく左右します。幼少期に母親から励ましの言葉や食事への感謝の言葉を語りかけられ続けると、偏食が少なくなったという報告もあります(※2)。「言葉」が如何に子供に強い影響を与えるかが窺い知れますね。
さらに、集中治療中に看護士から励ましや自己を尊重する言葉をかけられることによって、苦痛が軽減されたという例もあります(※3)。苦痛に対しても、「言葉」によって痛みを和らげることができるのです。
このように、「言葉」にはさまざまな力、人への影響力があります。疲れたあなたへはいたわりのセルフトークで、お子さんには励ましや他者への感謝の言葉で、傷ついた大切な方々にはいたわりの言葉で、癒し、そして癒されてくださいね。きっとあなたの傷を包む言葉もあることでしょう。
【参考文献】
※1『合宿時におけるポジティブなセルフトークが心理側面に与える影響』石橋剛士ほか
※2『食卓の雰囲気と母親の言葉かけの特徴が児童の偏食におよぼす影響』森下正康(児童学科教授)
藤田のゆり(めぐみ学園めぐみ幼稚園)
※3『集中治療下における看護婦の言葉がけが患者のストレス・コービングに及ぼす影響』野村美香