いやされーの「いやし噺」
このコーナーでは、健康や心について、
みなさんの元気や癒しにつながる話を、
店長たかあきがチョイスしてお届けします。
第十九回 │ ほめるとみんなが伸びていく。
ほめられると、人はうれしいものです。もちろん、ほめる、という行為にはいくつも意味が内包されています。人になにかをしてもらうためにわざとほめる場合もありますし、皮肉でいう場合もあります。わざとほめられてもいい気はしません。
しかし、ほめてくれる人と信頼関係があったり、またそうでなくても「この人はちゃんと自分を見てほめてくれてるんだ」とわかったときには、とてもうれしいものです。
実は、この「ほめる」という行為にはものすごい癒し効果が含まれています。なんと、情緒が安定しないADHDの子さえ、ほめることによってその症状が改善されるのです(※1)。
ほめられた場合、報酬系とよばれる快楽物質が脳内に分泌されます。なんと、ほめられたときには、高い金銭的な報酬を獲得した時と同じぐらいの快感が得られるのだそうです(※2)。ほめられることがいかにうれしく、また人間社会のコミュニケーションで重要な役割を果たしていることがわかります。
さらに、ほめられることで人間は技能が向上します。自然科学研究機構生理学研究所の実験によると、成人48人のグループで30秒間のうちに特定のキーボードをたたく、という動作をやらせたところ、ほめられたグループだけが、翌日うまくできるようになっていたというのです(※3)。
ほめる、という行為には人々を癒し、気持ちよくさせ、そしてスキルまで向上させてくれます。こんなにすばらしいコミュニケーションツールを使わない手はないですよね。ほめてほめられてを広げていけば、きっとみんなで癒されていくことでしょう。
【参考文献】
※1『ほめることに関する心理学的研究の概観』青木直子
※2『乳幼児に話しかけること・褒めることの大切さ-子育て支援のためのエビデンスを求めて-』山本千紗子
※3 自然科学研究機構生理学研究所ホームページ
http://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2012/11/post-223.html
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